電話回線ってどんな仕組みで通話ができるの?3パターンを解説!
固定電話を使って電話する時にふと、「こんな電話線でどうやって声を相手に届けているんだろう?」と疑問に思ったことがあるという人は多いのではないでしょうか?
この記事では電話回線を使って通話やインターネットができる仕組みについて簡単に説明したいと思います。
1.アナログ電話回線の仕組み
アナログ電話回線では各家庭や中継地にメタル線が張り巡らされています。糸電話を複数の人で行うように有線でネットワークを作っているのが特徴です。
では実際にどんな流れで電話ができるのかを見てみましょう。AさんとBさんの2人の会話を想定して、Aさんが電話をかける方でBさんが電話を受け取る方と仮定します。
- Aさんが受話器をとると、交換機に「発信信号」が流れます。交換機とは各家庭や会社に伸びたメタル線を接続する役割を持ちます。会社を訪問した時に受付に頼んで人を呼び出してもらうイメージです。
- 交換機は発信信号がきた電話機に対して「ダイヤルトーン」を出します。よく受話器を取ると「トゥー」という音が出ますよね。あればダイヤルトーンです。これでダイヤルの準備が出来ました。
- Aさんはダイヤルをしますが、番号によって交換機は相手の電話機への接続作業を行います。
- 接続が完了するとAさん側には「トゥルルルル」という呼び出し音が流れ、Bさん側にも「呼出し信号」が流れます。
- AさんとBさんとで会話ができるようになりました。
- 電話を切るとAさん側には「切断信号」が、Bさん側では「終話信号」というものが流れて話の終了が知らされます。
普段何気なく使っている電話にはこのような複雑な仕組みが作用しているなんて面白いですね。
2.ISDN電話回線の仕組み
ISDN回線はデジタル回線とも呼ばれる回線で、セキュリティ性の高さがアナログ電話回線よりも優れています。でも実はアナログ電話と同じメタル線を使っています。では何が違うのかというと、データを送る方法が違います。
アナログ回線では音声データをそのままメタル線を通して伝達していますが、ISDNでは音声データを「0」と「1」という数字にデジタル変換して銅線で送っています。この変換のおかげでそのまま音声を盗聴することができずセキュリティが守られています。同じ相手に同じルートで郵送物を送る時も、通常のはがきと封筒では見え方が違いますよね。それと同じようなものです。
ISDN回線は2回線使える
先述のようにアナログ回線では1回線分のサービスしか使えません(ADSLは除く)。しかしデジタル変換の仕組みによってISDNではそういった2回線同時使用ができます。つまり電話とFAX、電話とネット接続が同時にできます。
3 .IP電話回線の仕組み
最後に最近普及してきたIP電話回線の仕組みを見てみましょう。IP(Internet Protocol)とは簡単に言えばインターネット技術を使った電話回線です。
IP電話をかける場合は「VoIPゲートウェイ」という装置を使います。この装置が音声信号をデジタル化して「音声パケット」というものを作り相手に送信します。光電話も技術的にはVoIPを使っているのでIP電話の一種と言えます。ちなみにIP電話はインターネットを使うのでADSLでも利用できますが音質はイマイチなことが多いです。
4.まとめ
アナログ電話回線とISDN回線、そしてIP電話について見てきましたが、それぞれ違う仕組みで通信ができます。アナログ回線とISDNは2025年には完全に廃止される予定で、今後はIPネットワークがそれに取って代わるようになるでしょう。
IP網の代表格である光回線は光ファイバーを使った超高速通信が可能な回線です。しかもひかり回線を使ったひかり電話は基本使用料や通話料がアナログ回線よりも安いので、今後家計に優しい電話サービスを楽しめるでしょう。